余興
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ココロスイッチは2023年2月4日より新しいオンラインショップサイトへ移行します。
新ショップはURLが変わります。2月4日以降は下記のサイトをご覧ください。
https://shop.kokoro-switch.com/
結婚式の音楽利用に関わる著作権については非常に複雑な内容となっており、ご質問をいただくことも多く、内容も多岐に渡ります。
ここでは、結婚式の映像作成に関して当店によくいただくご質問を紹介したいと思いますので、ご自身の疑問に当てはまるような場合があれば、是非参考にしてみてくださいね。
尚、より詳しい内容は「5分でわかる!結婚式のBGM著作権について必要な手続きと曲の選び方」のページに記載しましたので、併せてご覧いただけますと幸いです。
【目次】よくある質問
1:演出用のムービー作成に関する質問
・自分達で購入したCDを使う場合でも著作権の手続きは必要?>
・プロフィールムービーに複数の曲を使いたい。著作権の料金はどうなる?>
・結婚式場から無音でDVDを作るように言われた。著作権の手続きはどうなる?>
・結婚式場に著作権の使用料金を支払った。ムービーの著作権申請は不要になる?>
・著作権の申請が必要と知らなかった。申請を行わずに音楽利用した場合はどうなるの?>
2:記録ビデオ撮影に関する質問
・申請料を節約したい。申請を行わない場合はビデオ収録できないの?>
・ゲストが余興で歌うカラオケの場面は記録ビデオで収録できるか?>
・結婚式場にビデオ撮影を頼むと、すべてフリーBGMになると聞いた。>
・著作権の申請無しで全て音声収録できます!というビデオ業者は大丈夫?>
1、演出用のムービー制作に関する質問
自分達で購入したCDを使う場合でも著作権の手続きは必要?
Q:自分達で購入したCD音源をムービーに使う場合でも、著作権の手続きや料金の支払いが必要になるのですか?
A:ご自身で購入したCDを複製して、ご自身や家庭内で楽しむ場合は「私的使用のための複製」に該当しますが、結婚式で上映する場合はこれに該当しないとされますので、必ず著作権の手続きが必要になります。
また、ご自身でCDを購入した場合でも著作権の使用料金は必ず掛かります。
配信音源は使用できないの?
Q:インターネット上で販売されている音源をムービーに使用したいが大丈夫でしょうか?
A:ネット上で配信されている音源は、配信事業者の「利用規約」によって、個人的、非商用目的での使用に限って利用可能と定められていますので、結婚式での使用については規約違反となり使用することはできません。
※2022/5/21追記 現在は、配信音源でもISUMに登録されて利用できる曲が増えてきています。ISUMのデータベースに【配信音源】として登録されている曲は複製利用が可能になっています。
CDは中古でも大丈夫?
Q:ムービーの音源に使うCDは中古品でも大丈夫でしょうか?
A:正規品の中古CDでしたら問題ありません。
尚、もともとレンタルされていた、いわゆるレンタル落ちの中古CDは使用できません。
自作のムービーでも著作権の手続きは必要?
Q:ムービーを自作した場合でも著作権の申請は必要ですか?
A:映像業者ではなくご自身で映像を作成する場合でも、使用する音楽に対しての著作権の手続きは必要です。
尚、市販のCD音源を映像に収録する場合は、著作権と著作隣接権、それぞれの手続きが必要になりますので、著作権についてはJASRACへ、著作隣接権については日本レコード協会に問い合わせて手続きを確認してください。
ただし、ご自身での申請は手続きが煩雑になりますので、まずは結婚式場のプランナーにご相談いただくことをお勧めします。
場合によっては、式場がISUMへの申請を代行してくれることもあるようです。
プロフィールムービーに複数の曲を使いたい。著作権の料金はどうなる?
Q:プロフィールムービーに複数の曲を使いたいのですが、著作権の料金は曲数分かかりますか?
A:複数の曲を使用する場合は、それぞれの曲について著作権と著作隣接権の手続きが必要です。
そのため、使用料も1曲ごとに掛かります。
使って良い曲かどうかはどうやって調べるの?
Q:著作権的にムービーには使えない曲もあると聞きました。使って良い曲はどうやって調べたら良いのでしょうか?
A:当店にムービーの制作を依頼いただく場合は、ISUMに登録されている曲であれば使用可能です。
ISUM登録曲は、ISUMの楽曲データベースで検索できます。
なお、ISUMに登録のない曲の使用は、権利者への許諾確認と申請がとても煩雑になり、使用料も高額になるため、申し訳ありませんが当店ではお受けしておりません。
ISUMへの申請は誰が行うの?
Q:結婚式場からISUMヘ申請するように言われました。申請は誰が行うのでしょうか?
A:ISUMへの申請は、ISUMと契約のある結婚式場や映像会社などの「ブライダル事業者」が主体となって行います。
映像を制作する場合は、通常はその制作を請け負った事業者が申請を行います。当店にご依頼を頂いた場合は、もちろん当店からISUMヘ申請を行うことになります。
なお、新郎新婦がISUMに直接申請を行うことはできませんのでご注意ください。
ISUMに登録のない曲を使いたいがどうすれば良いか?
Q:ISUMに登録のない曲をムービーに使いたいが、どうすれば良いのでしょうか?
A:ISUMに登録のない曲を使いたい場合は、権利者への使用可否確認が必要になりますが、一番簡単な方法としましてはISUMに楽曲リクエストを行う方法があります。
ISUMのHPには「楽曲リクエスト」というシステムがあり、未登録曲はそこからリクエストを行うことができます。
ただし「楽曲リクエスト」を行えば必ず登録曲になるわけではなく、あくまで、ISUMから楽曲の権利者へ複製利用の可否確認を行ってもらうためのリクエストですのでご注意ください。
リクエストの結果、権利者から許諾が下りればISUM登録曲となり利用可能になりますが、利用可否の確認に最短でも1か月程度はかかり、結果の返信もされません。
そのため、実際は挙式の2~3か月前くらいの早い段階でリクエストをしていただき、1か月以上待っても登録曲にならない場合は、ISUM登録曲への変更をご検討いただくのがよろしいかと思います。
結婚式場から無音でDVDを作るように言われた。著作権の手続きはどうなる?
Q:結婚式場から無音でDVDを作るように言われたのですが、この場合、著作権の手続きはどうなりますか?
A:無音でDVDを作成する場合は、DVD作成段階で「複製権」の手続きは必要ありません。
尚、当日の上映の際に、無音のDVDに合わせてCDの音源を流す場合は「演奏権」の手続きが必要ですが、結婚式場がJASRACと包括契約を結んでいれば、その申請も必要なくなります。
詳しくは結婚式場にご確認ください。
結婚式場に著作権の使用料金を支払った。ムービーの著作権申請は不要になる?
Q:結婚式場に著作権の使用料金を支払っています。
ココロスイッチさんにムービー制作を依頼した場合は、著作権の申請料金は不要になりますか?
A:通常は、ムービー制作を請け負う事業者(この場合は当店)が申請を行うことになっていますので、
当店で制作を行うムービーについては、当店からISUMへの申請手続きが必要になり、著作権の使用料も掛かります。
結婚式場へお支払いされた著作権の料金は、おそらく、結婚式当日に式場内で音楽を利用する際の「演奏権」や「上映権」、結婚式場の音響会社が複製利用する際の「複製権」や、結婚式場の映像会社が制作や撮影を行う際の「複製権」の料金かと思われます。
結婚式場に支払われた著作権料の詳細については、念のため、結婚式場の担当者にご確認いただけますでしょうか。
GLAYの曲は著作権の手続きが不要と聞いたが?
Q:GLAYの曲をムービーに使いたい。著作権の手続きは不要と聞いたのですが?
A:ムービーにCDの音源を使用する際には「著作権」と「著作隣接権」、両方の「複製権」の手続きが必要ですが、このうち、GLAY及び有限会社ラバーソウルがブライダルの利用に限り徴収しないと公表しているのは、自身が権利を有する「著作隣接権」の「複製権」についてです。
JASRACやNexToneが管理している著作権の「複製権」については、別途申請手続きと使用料の支払いが必要になります。
著作権の申請が必要と知らなかった。申請を行わずに音楽利用した場合はどうなるの?
Q:ムービーの制作に音楽の著作権の手続きが必要と知らなかった。著作権の申請をせずにムービーに音楽利用した場合はどうなりますか?
A:ご存知なかったとはいえ、著作権侵害の違法行為にあたってしまいます。
適正な著作権手続きの行われていないムービーは、結婚式場での上映を断られる可能性が高いので必ず適切な申請を行ってください。
2、記録ビデオ撮影に関する質問
記録ビデオでも著作権の申請が必要?
Q:記録ビデオを依頼した場合でも著作権の申請が必要でしょうか?
A:記録ビデオを撮影した場合、結婚式、披露宴で流す音楽もビデオに収録されますので、著作権と著作隣接権の複製権の使用手続きが必要になります。
申請料を節約したい。申請を行わない場合はビデオ収録できないの?
Q:記録ビデオの著作権申請料を節約したいが、申請を行わない場合はビデオ収録できないのでしょうか?
A:映像の収録は可能ですが、会場内で流れる音楽と現場の音声は技術的に分離できませんので、申請を行っていない楽曲の流れる場面は、現場の音自体が収録できなくなります。
ただし、スピーチなどのBGMが流れない場面については現場音声の収録も可能です。
ISUMに登録されていない曲を流す場面はどうなるの?
Q:結婚式で使用する音楽でISUMに登録のない曲を流す場面がある。その場合、記録ビデオは収録できないのでしょうか?
A:ISUMに登録されていない楽曲を流す場面では、映像は収録可能ですが、残念ながら現場音声の収録はできなくなります。
現場音声を映像に残されたい場面は、できる限りISUM登録曲へのご変更をご検討ください。
プロフィールムービーの上映場面も著作権の申請が必要?
Q:プロフィールムービーで使用するBGMは著作権の手続き済みですが、記録ビデオでプロフィールムービー上映中の様子を撮影する際に、さらに著作権の手続きが必要になるのでしょうか?
A:著作権の手続きは、利用の都度に行う必要があります。
この場合、プロフィールムービーへの楽曲収録と記録ビデオへの収録はそれぞれ別の利用方法とされ、個別に手続きを行う必要があります。
挙式の聖歌隊やオルガン演奏は収録可能?
Q:挙式中は聖歌隊の歌やオルガン奏者の生演奏を行います。この場面は収録可能でしょうか?
A:いわゆるキリスト式の挙式で演奏される、賛美歌やゴスペル曲、クラシック曲などは、著作権が消滅している場合が多いので、その場合は、申請を行わずにビデオ収録可能となります。
ただし、著作権の保護期間のある曲を演奏するケースも見受けられますので、念のため、当日演奏される楽曲を結婚式場にご確認ください。
披露宴で生演奏を行う場合の申請は必要?
Q:披露宴でゲストが余興で生演奏を行います。その場面を記録ビデオ収録するためには申請は必要でしょうか?
A:挙式・披露宴で行われる生演奏の場面をビデオ撮影するためには、CDの音源ではないので著作隣接権の申請は不要ですが、著作権の「複製権」の申請は必要です。そのため、JASRAC、またはNexToneへの手続きを行う必要があり使用料金も掛かります。
ゲストの余興がサプライズの場合はどうずれば良いか?
Q:ゲストの方がサプライズで余興を行ってくれます。その場面もビデオ収録して欲しいのですが、サプライズのため、事前に内容や曲名を聞くことができません。どうしたら良いのでしょうか?
A:記録ビデオで収録するためには、著作権の申請は必ず行う必要がありますので、できれば、余興を行う方か、内容をご存知の会場プランナーから当店までご連絡をいただき、
余興の内容と楽曲をお知らせいただけますでしょうか。
もちろん、お二人にその内容をお伝えすることはありませんのでご安心ください。
ゲストが余興で歌うカラオケの場面は記録ビデオで収録できるか?
Q:ゲストの方が余興でカラオケを歌います。その場面もビデオ収録して欲しいのですが可能でしょうか?
A:通信カラオケの音源はカラオケ会社が権利を有しており、実質的に許諾を得ることが難しくなります。そのため、残念ながら記録ビデオでの音声収録ができません。
オルゴールのBGMを使用する場合は収録可能?
Q:新婦の手紙朗読の場面でオルゴール曲を使用予定です。同じ曲で別のアーティストが歌ったものはISUMに登録があるのですが、オルゴール曲としての登録はありませんでした。この場合は収録可能でしょうか?
A:同じ曲がISUMに登録されている場合でも、使用する音源のアーティストが違う場合はISUMへの申請は行うことができません。
この場合は、原曲の「著作権」の「複製権」の使用手続きと、オルゴール曲を制作したレコード会社へ「著作隣接権」の「複製権」の
使用可否確認と手続きが必要になります。
※2022/5/21追記 オルゴール曲でもISUM登録される曲が増えてきました。ISUMのデータベースで(オルゴール)と記載のあるものは、該当のCD音源についてのみ複製利用が可能です。
結婚式場にビデオ撮影を頼むと、すべてフリーBGMになると聞いた。
Q:結婚式場に記録ビデオを頼む場合、BGMが流れる場面の音声は収録できないので、代わりにフリーBGMを収録すると言われました。
ココロスイッチさんにお願いした場合もそのようになるのでしょうか?
A:当店では事前に、結婚式当日に使用されるBGMをリストで提出いただいています。
その際に、撮影ご希望の場面で現場の音声が収録可能なところは、著作権の手続きを行った上で現場音声も収録させていただきます。
著作権の申請無しで全て音声収録できます!というビデオ業者は大丈夫?
Q:インターネットで、著作権の申請無しで全て音声収録できます!というビデオ業者さんを見つけました。
申請費用を節約できて、面倒な申請手続きも必要なく、音声も全て残せるので魅力的に感じましたが、これって大丈夫なんですか?
A:申請を行わず著作権を無視した撮影は違法行為にあたってしまいます。
残念ながら、稀にですがウェディング業界の現状を無視してしまっている業者さんがいるようです…
著作権の問題は、結婚式に必ずついてまわる決まりごとです。
なんでも収録できますと謳っている業者さんは、残念ながらお客様を違法行為の巻き添えにしてしまうことを理解されていません。
理解していても、少しでも受注を増やそうとお客様にまで違法行為をさせてしまっていることとなりますので、せっかくの結婚式で違法行為をしてしまったと後悔しない為にも、必ず申請手続きを行っている業者さんを選びましょう。
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いかがでしたでしょうか?
著作権の内容や手続きはとても複雑で分かりにくいので、お客様によって様々な疑問点やご不安な点もあるかと思いますが、少しでもお役に立てましたら幸いです。
当店をご利用のお客様には、著作権について随時ご質問にお答えしておりますので、今回のQ&Aに該当しないような疑問点がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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最後までお読みいただきましてありがとうございました!
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結婚式向けオープニング手作り企画の最終章となる第三部では、いよいよスマホアプリを使った具体的な映像制作手順の説明に入ります!
1.手順確認とアプリの役割分担
第二部で記載した「作業手順」をおさらいしてみましょう。
作業手順
♯1 [パーツ集め]写真を集める。写真をスキャンしスマホに読み込む。
♯2 [設計書作り]曲を選ぶ。曲のメロディーに沿って、写真の順番、テロップの内容、時間の割り振りを決める。
♯3 [パーツ加工」写真の補正加工をする。フォトコラージュをする。デザイン文字を入れる。
♯4 [動画の編集]素材並べと時間調整、アニメーション付け、テロップ入れをする。
♯5 [動画書出し]完成した動画を書き出す。
♯6 [上映の準備]DVD化する。SNSにアップロードする。
第二部では、上記の手順の「#️2 設計書作り」まで進めました。
第三部からは♯3〜♯5の工程をSnapseed、MOLDIV、Phonto、FilmStoryの4アプリを使って作業していきます。
それぞれのアプリは工程毎に使い分けをし、下記の順番で作業します。
アプリの役割分担
[♯3 パーツ加工]
♯3.1 Snapseed → 写真補正
♯3.2 MOLDIV → フォトコラージュ
♯3.3 Phonto → デザイン文字の挿入
[♯4 動画編集]
♯4.1 FilmStory → 画像並べ、画像アニメーション、字幕文字の挿入、BGM挿入
[♯5 動画書出し]
♯5.1 FilmStory → 完成動画の書き出し
なぜ4つもアプリを使う必要があるのだろう…?と疑問に持つ方がいらっしゃると思いますので、それぞれの操作説明に入る前に、各スマートフォンアプリの特性や使い分けのポイントを簡単に説明します。
2.アプリの使い分け
使い分ける理由を端的に説明しますと、4つのアプリはそれぞれ得意な加工や、専門とする処理が違うため、作業工程毎に最適なアプリを使い分けています。
一番分かりやすい違いですと、FilmStoryでは動画を作成することができますが、それ以外のアプリでは動画を作成することはできません。
しかし、写真補正や加工の作業は、4つのアプリ全てで行うことができます。ではなぜ、写真補正にわざわざSnapseedを取り入れたかは、このあと説明いたします。
アプリの使い分けについては第一部の結論としても取り上げたことですが、どこまでこだわるかによって、極論FilmStoryのみでも動画を作ることはできますし、こだわりどころによって、もう1つ、2つ別のアプリを組み合わせてもらっても良いです。
どのようなこだわりの時に、どのアプリを使うべきかはこの次にアプリ毎の特性を解説しますので、ご自身のこだわりどころにマッチしたアプリをお使いください。
3.各アプリの特徴
写真補正[Snapseed]
Google社からリリースされているSnapseedの一番の特徴は、一度加工した編集データを後からもう一度編集できるところです。
「え、そんなこと?おしゃれな写真加工ができるからとかじゃなくて?」と思われるかもしれませんが、第一部の結論でも度々触れていますが、スマホでの長時間作業や反復作業は多ければ多いほどきつい作業になってきます。
実験企画に取り組むにあたり、筆者が比較した写真補正アプリを先にご紹介しますと、Rookie Cam、Latte camera、Lumieなどがあります。デコレーションや美肌などの加工機能でいえば、Snapseedより優れている面もあります。写真の加工や飾り、デコレーションにこだわりたいという方は、これらのアプリを使ってみても良いと思います。
今回筆者は、コラージュアプリを複数検証した結果、最終的にデザイン表現を重視してMOLDIVとPhontoに決定しました。しかしMOLDIVとPhontoは過去に作成した画像の編集データは残すことはできず、FilmStoryでの動画編集に入った後、いくつかコラージュ画像を修正したいと思っても、ゼロから作り直すことになるため、あえてMOLDIVやPhonto内での写真補正はしないという手段をとりました。
もし、使うアプリを減らすために、MOLDIVで画像レイアウトしながら写真補正をしていたり、Phontoで文字入れをしながら写真補正を行う判断をした場合は、コラージュを修正するたびに写真補正も繰り返し行うことになりますので、その点はご注意ください。
ちなみに、写真の加工具合をどこまでこだわるかにもよりますが、2つのコラージュアプリよりも写真補正専門のSnapseedの方が圧倒的に高機能で、細かい調整が可能です。
最後にもう1つだけ付け加えますと、この写真補正については普段使い慣れているフォト加工アプリがあればそちらを使われる方が良いと思います。動画編集に入ったあとで、もし修正したいとなった場合には都度一からやり直しになることを覚悟すれば、使い慣れていたり、補正具合が気に入っているアプリで作成した方が、不慣れなSnapseedを使うよりも気持ち良く作業が進められると思います。
フォトコラージュ[MOLDIV]
まず、そもそも次に説明する文字挿入アプリPhontoとなぜ2つも使ったのかということについてですが、MOLDIVはコラージュ画像を作成するのは得意だが、文字組みの機能は弱いことが一番の理由になります。一方Phontoは、文字組み機能は大変強力ですが、コラージュ画像を作成することが根本的にできません。今回筆者は文字まわりのデザインにこだわりたかったため、アプリを使い分けざるを得ませんでした。
MOLDIVはコラージュ画像作成に特化しているため、コラージュ画像を作るときには非常に高機能で、沢山のテンプレートも用意されています。また、詳しくは後ほど解説しますが、フルHDの画面比率である16:9の画面比率を正確に設定できる機能があるところも、筆者がMOLDIVを選んだポイントとなりました。
今回筆者がコラージュ画像制作で機能比較したアプリにInstaMagがありますが、InstaMagも非常におしゃれなコラージュ画像を作成することができますが、InstaMagは例えば3枚を挿入する必要があるコラージュのレイアウトテンプレートを選んだとして、必ず3枚の写真を設定しないと完成画像の保存ができない仕様になっています。しかしMOLDIVは、1枚だけ写真設置した画像でも保存ができるため、あとから文字を入れることを考慮して、あえて空きスペースのあるコラージュ画像を作成するときに、この仕組みがあるMOLDIVの方が筆者としては都合が良かったという面もあります。
デザイン文字の挿入[Phonto]
コラージュ画像制作でPhontoとMOLDIVを使い分けた理由は先ほど説明した通り、Phontoは文字間や行間の調整、カーソルによる位置移動、和文書体を含め多数のフォント収録というように、文字まわりのデザインにこだわりたい時に必須となる機能が充実しているため、筆者はコラージュ作業と文字入れ作業を別々のアプリで行いました。
Phontoで一番驚いたのは「スタイル」の「カーブ」という設定項目があり、カーブの数値を調整すると文章が弧を描いたようにできます。この機能は今回のムービー制作で一箇所しか使いませんでしたが、今っぽいおしゃれな文字レイアウトができるので、Phontoはとってもオススメです。
動画編集全般[FilmStory]
動画編集にFilmStoryを選んだ一番のポイントは、無料で30秒以上のフルHDムービー制作ができる機能を持っているところです。
ただし、無料で作成したムービーを保存できる回数には制限があり、無料保存は3回までです。(2016.6.2時点)
FilmStoryの無料版は本来30秒までのムービーしか保存できません。プロ版(プロ版 480円/2016.6.2時点)では、30秒以上のムービーを保存することが可能になることの他、アプリ名のクレジット(透かしロゴ)も消すことができます。
今回筆者は、動画編集アプリの選定する際、AnimotoとMagistoというアプリの無料版も試してみましが、Animotoは20個しか素材を挿入できませんし、そもそも無料では完成したムービーを端末に保存でないようです。Magistoの方も1分15秒までのムービーしか作成できません。これら2つのアプリにFilmStoryのような3回だけ機能制限が解除されるようなお試しチケットもありません。よって、結果的にFilmStoryにはなりましたが、操作性も他の2つのアプリと比べてもFilmStoryは良かったです。
ちなみに、おしゃれなエフェクト(視覚効果)やデザイン表現のムービーを作りたいと思えば、AnimotoやMagistoの方が開発元が海外ということもあり、おしゃれな仕上がりが期待できると思いますし、細かいな調整もできますので高性能で機能面は優れています。第一部で触れたような「映像面の細部への追求」をしたい方は、これらのアプリの方が向いていると思います。
ただし、上記のように素材枚数の制限を超えたり、尺の長いものを作成したいと思えば、AnimotoもMagistoもプロ版購入が必要となります。それぞれ月額と年額のプロ版プランがあります。詳しくは公式ページ等でご確認ください。また、Animotoの場合はモバイル版以外にもWeb版もあり、ウェブブラウザ上で映像編集ができるサービスもリリースしていますので、PCがある方はWeb版を検討されても良いと思います。
実は筆者はAnimotoとMagistoのプロ版の料金がそこそこ高かったので、これならiPhoneアプリのiMovieを600円で購入した方が良いのではないかと思い、久々にiPhoneのiMovieを触ってみたりもしました。正直なところ、AnimotoやMagisto、iMovieといった高性能のアプリを購入したとして、操作が複雑でスマホでやる気がしないというのが本音です。このような高性能なアプリを使うなら、むしろPC作業に切り替えないとまだまだスマホでの込み入った動画編集は厳しいなという印象でした。
もし今回の実験企画を読んでいただき、筆者と同じアプリで作成するという方に改めて、活用する機能をまとめますと、Snapseedのデータ再編集機能、MOLDIVの16:9画像作成機能、Phontoの充実した文字調整機能、FilmStoryのお試しチケット機能、この機能を駆使してムービー制作を行ってください!
4.写真補正の方法
Snapseedで写真補正を行う方法については、おそらく皆さんもInstagramやFacebook等でやり慣れている方も多いかと思いますし、簡単な解説にとどめさせていただきます。
こちらの画像がSnapseedの基本画面です。
まず、今回の実験企画で色補正、写真加工というようなワードを度々使っていますが、それらのワードの意味は基本的な色調整をすることであり、雰囲気をよりアップさせるためのフィルタやエフェクト加工をさしている訳ではありません。
特に昔の写真をスキャニングしたような場合は、写真自体が経年劣化で黄ばんでしまっていたり、スキャニングの影響で画像がぼんやり(輪郭が甘くなる)してしまったりすることがありますが、そのようなある種、問題を抱えた画像を適正な画像に補正することを「色補正」「写真加工」とこの実験企画では言っています。
3 ツール画面
まずは「3 ツール画面」の上部の「色補正ツール」を駆使して適正な写真画像を作成していきましょう。その上で、作成したいオープニングのイメージやテーマに沿った、個性的な雰囲気の写真画像作成をしていきましょう。
では、いくつか基本的な色補正ツールを使ってみたいと思います。筆者が色補正で基本的に使用する「ディテール」「画像調整」「切り抜き」の3つを解説したします。
4 ディテール調整
ディテール調整には、質感を強くする「ストラクチャ」と輪郭を強くする「シャープ」の項目があります。写真の状況によりますが、シャープを設定することで、少しぼやっとしてる写真の輪郭をシャキッと引き立たせることができます。ディテール調整は必ずする必要はなく、必要なものだけで良いです。
実際に操作すると分かりますが、ストラクチャでもシャキとはします。写真によってシャープで調整するか、ストラクチャで調整するかは変わってきますが、基本的にはまずシャープだけで調整し、それでもまだぼやっと、あまい感じがする時はストラクチャーを更に付け加えるという使い方が良いと思います。
どちらか一方で調整するにしても、両方使って調整する場合でも元々の写真画像のデータそのものが荒い(画素数が低い、画質ノイズがある)場合は、画像自体の荒さがより引き立つことにもなりますので、極端なディテール設定をした際はきちんとツール適用後の画像が荒々しくなってないかをご確認ください。
5 画像調整
他の補正アプリでもおなじみの調整項目がSnapseedでもずらりとならんでいます。写真に対して、適切な色補正をこの画像調整で行います。適正な写真補正等に詳しくないという方は、画面下のスティックアイコンのような「自動調整ボタン」をタップするだけで、自動的に補正する機能もありますので、試してみてください。
6 切り抜き
写真の縁の余分なところを切り取ったり、縦型の写真の一部から横向きの切り出し(トリミングといいます)たりする時に切り抜きツールを使います。注意点としては、余白を少し削るぐらいであれば問題ないと思いますが、トリミングで一部分を繰り出す時には、切り出し後の画像サイズが小さくなりますので、横方向のピクセル数が1500ピクセル以上残っているかをご確認ください。
色補正については以上ですが、例えば細かくピンポイントで顔のところだけ明るくしたい、写真の傷や肌のシワを補正したいというようなときは「部分調整」「シミ除去」「ブラシ」等のツールを使って細部の補正をすることも可能です。ただし、大きな傷や根本的に暗すぎたり、明るすぎたりする箇所は補正しきれないこともあります。まずは基本となる画像調整ツールを含め、いろいろなツールを試してみてください。
次に、参考までに一つだけ雰囲気をアップするためのフィルタ処理と、補正画像の保存方法、そして保存した画像の再編集の方法を解説します。
7 フィルタ処理
雰囲気をアップさせるためのフィルタもSnapseedは充実しています。今回は参考例として1つだけ紹介します。ふわっと華やかな印象にする「グラマーグローフィルタ」の設定画面ですが、基本的にはどのフィルタも画面下部にテンプレートが用意されていますので、そのテンプレートの中からイメージに近いものを選んで、あとは細かい設定を指で上下にスワイプして調整メニューを呼び出して微調整するやり方が良いと思います。
8 保存画面
画面上部のメインメニューの「保存」をクリックすると保存メニューが表示されます。保存メニューの「保存」か「コピーを保存」のどちらかを選択します。このどちらかで保存しないと、後々もう一度編集内容を調整したいと思っても調整はできません。
「保存」は最初に開いたオリジナル画像に編集内容を上書き保存します。「コピーを保存」はオリジナル画像には編集内容を保存せず、ファイルを複製してそのファイルに編集内容を保存します。いわゆる別名保存のような機能という理解で良いと思います。
9 再編集画面
再び編集したいときには、まずSnapseedを起動し、編集内容を保存した写真ファイルを読み込みます。そうして、読み込んだ画面の上部に数字(この数字は使用したツールの数です)が入っているボタンがあると思いますが、それをクリックするとその画像に適用したツールが画面右下から表示されます。この表示されたメニューから、修正したい内容を選択して再調整します。この後から再編集できる機能は本当に便利です。
写真補正アプリSnapseedの操作解説は以上です。それでは次に補正した画像をレイアウトするフォトコラージュの解説に入ります。
5.フォトコラージュの方法
フォトコラージュについては先にサンプル画像をご覧ください。こちらの画像を作成する手順を中心に解説いたします。
[フォトコラージュのサンプル画像]
では、早速MOLDIVの操作説明をいたします。
今回は先に見ていただいたコラージュ画像にするために「2 テンプレート選択」でオレンジのテンプレートを使いましたが、ご自身がイメージするレイアウトに近いモノをまずはテンプレートから選択します。
3 エリア調整画面
この画面で、写真を挿入するエリアの配置バランスを調整します。
まずは、画像比率を調整するツマミで「16:9」になるように設定しましょう。この設定は必ず行ってください。比率の調整が終わったら、オレンジの点線(写真を挿入するエリア)の調整をします。実際にサイズ調整する白いツマミやバランスを調整するオレンジのツマミを指で動かしてみて、気に入ったバランスに設定しましょう。
エリア調整ができたら、オレンジの点線内をクリックし写真の読み込みに進みます。
1点だけ、注意してほしいことがあります。それは、映像は上映するプロジェクターやスクリーンもしくはTVなどによって若干の差がありますが、画面の上下左右の端が切れていまいます。実際には画面の端から10%前後切れることがあります。あらかじめこの点を考慮して、画面の端からオレンジの点線を余裕をもって内側に入れましょう。
次に写真の読み込みと位置調整、画像保存の方法を説明します。
4 エリアと写真選択画面
左下のエリア選択と上部の写真リストは連動します。まずはエリア(どこに)を選択し、その後に入れたい写真(何を)を選択してください。エリアに写真の挿入が終わったら「選択決定ボタン」をクリックします。
5 スケールと位置調整画面
おなじみの操作だと思いますが、写真の上で指を使って拡大縮小したり、位置を調整したりしましょう。気に入ったコラージュが完成したら画面右下の「保存ボタン」をクリックします。
ちなみにMOLDIVのこの画面で文字入れをすることもできますが、筆者は文字入れをPhontoで行っています。
この画面の上部のボタンですが、左の「テンプレート変更」でこの画面の状態でたくさん用意された別のテンプレートに変更することができます。やってみると分かりますが、テンプレートが変わるとイメージや配置がガラッと変わりますので、初期にコラージュデザインを検討するために試しでクリックしてみるのは良いと思いますが、本番用の画像を作成しているときには、この上部の二つのボタンは触らないほうが良いと思います。
6 保存画面
完成したコラージュ画像を保存します。保存メニューの解像度は「中級解像度(2048×1152)」を選択します。解像度サイズを見るとわかるように、フルHDサイズの1920×1080ピクセルよりも大きいサイズで保存します。
MOLDIVの操作説明は以上ですが、各アプリの特徴でも触れたように、MOLDIVはSnapseedと違って編集内容ごと保存することはできません。そのため、例えばこの後別のコラージュ画像の作成に入った場合に、先に作成したこちらの画像を微調整することはできず、ゼロから作り直すことになります。映像の中で、多数のコラージュ表現を取り入れることは避けたほうが良いと思います。
6.デザイン文字の挿入方法
デザイン文字の操作解説についても、先にサンプル画像をご覧ください。
[文字挿入のサンプル画像]
ここからは、作成したコラージュ画像にPhontoでデザイン文字入れる作業手順を解説いたします。
1 読み込み画面
Phontoは起動すると直後の画面が「画像選択画面」となり、画像選択後「フィルタ設定画面」が表示されます。今回筆者はPhontoでのフィルタ処理は行いませんので、その画面もスキップするとこのような画面になります。この画面で写真の上をタップし、文字追加メニューを表示します。
2 文字入力画面
画面に入れたい文字情報を入力します。この画面はこのあと説明する「調整メニュー」の「文字」メニューにあたりますが、ここで文字揃えや縦書き横書きの設定をします。
今回筆者が作成した映像に縦書き文字はありませんでしたが、Phontoは数少ない縦書き文字が入力できるアプリであり、和文フォントも充実しています。
3 調整メニュー画面
文字を調整したり、装飾するためのメニュー画面です。指で横フリックすると次のメニューも表示できます。文字の削除も次のメニュー項目にあります。
「スタイル」メニューで細かく設定ができますのでそれらは後ほど解説いたしますが、サイズや位置調整はこのメニューから簡単に操作ができます。
スタイルメニューのよく使う機能は「間隔」と「影」設定です。この2つは文字表現では基本的な機能ですので、色々とお試しください。Phontoの便利な機能「カーブ」設定もスタイルから操作ができます。
文字の後ろに背景を入れるやり方は少し細かく説明します。
7 背景設定
背景の設定は「色」メニューの「背景」タブで行いますが、最初にこのタブを表示すると「透明度」の設定項目が「0」になっていますので、ここの数字を上げて背景を見えるようにします。
この画面の下にある「幅」の設定でも横方向の幅は設定できますが、縦方向の幅設定ができないため、次の「背景設定 裏技」で上下方向にも幅を伸ばします。
8 背景設定 裏技
背景を実際に入れてみると分かりますが、「背景」機能で背景を入れただけの場合、文字と背景の余白があまりなく、少々窮屈な感じがします。もしそれが気になるという方は「ストローク」タブで無理やり調整することができます。
先に本来のストローク機能を説明しておきますが、ストローク機能はもともと文字の輪郭を入れる機能です。試しに不透明度を100にして、幅も最大にしてみてください。文字の周りに輪郭が入ると思います。そして、同時に背景も一回り広がったと思います。
その状態のまま、不透明度を「0.01」に下げます。こうすると、背景の幅は維持されたままで輪郭が見えなくなります。(実際には0.01%の透明度でうっすら表示しています)
9 保存画面
メインの編集画面右下の「保存」ボタンをクリックすると、保存メニューが表示します。保存メニューの「画像を保存」をクリックすると完成画像がカメラフォルダに保存できます。
以上で、Phontoでデザイン文字を挿入する方法の説明は終わりにします。
文字入れを含む、デザイン画像の作成が終われば、今回のオープニングとプロフィールムービー手作り工程の半分をクリアしたことになります。ここまで終われば、動画制作の仕上げとなる動画編集アプリFilmStoryでの作業を残すのみとなります。それでは、次から動画編集の解説を進めていきます。
参考までに、今回のオープニングムービー制作で筆者がMOLDIVとPhontoを使って作成したすべてのコラージュ画像を掲載しておきます。
このリストに無い画像は、直接FilmStoryで読み込んで編集しています。また、このコラージュ画像に入っていない文字もFilmStoryの字幕機能を使って文字入れをしました。
7.動画編集
いよいよ、メインの動画編集工程の手順解説に入ります。
まずは改めて、第一部、第二部でご覧いただいた完成映像を見てみましょう。
写真提供:世界中の絶景でウェディングフォトを撮影しているBackpack Wedding
公式Web:http://backpackwedding.com/
Facebook:https://www.facebook.com/backpackwedding/
第一部、第二部では掲載していませんが、実は完成する前に一度「お試しチケット」を使って、テスト書き出した動画があります。動画をご覧いただくと分かりますが、FilmStoryでは文字の表示と消滅(文字の出入り)を制御する機能にちょっとしたバグがあることがテスト書き出しで判明しています。もしかしたら今後のバージョンアップで解消されるかもしれませんが、どのようなバグがあるのかをこちらの動画で一度確認ください。
この動画の10秒ジャストのところでバグの症状がわかりますが、前のカットのテキスト「Wedding Party Masaki & Yuki」が次のカットの頭でも表示されている(消えずに残っている)ところがわかると思います。このテスト書き出しの動画中に文字が本来は消えているはずなのに、消えずに次のカットの頭にまたがって表示されている箇所が数箇所見られると思います。
これらの箇所はFilmStoryの字幕機能で文字を入れた箇所になりますが、写真と字幕の消滅時間を同じに設定した場合に、なぜか文字だけがコンマ数秒表示されてしまい、写真と同じ時間でピタッと正確には消滅しません。このバグを回避する手段等は、字幕機能の説明で解説いたします。
それでは、完成のイメージとバグの把握ができたところで、操作説明を進めていきたいと思います。
1 プロジェクトの作成
FilmStoryを起動すると、過去に編集したプロジェクトのリスト画面が表示されます。その画面の下部の「新しいムービーを作る」ボタンで、新たなプロジェクトを作成します。
2 作成メニュー
ムービーの作成メニューは「横向き」を選択します。結婚式での上映以外にSNS用の動画等を作成したい場合には、縦向きや正方形ムービーもFilmStoryで作成可能です。
3 基本ツールメニュー
動画編集中はこのツールメニューが基本となります。今回筆者はあまり使うことがなかったため説明を割愛しますが「設定」メニューでは、プロジェクト内でまとめて一括で編集したい内容(文字の大きさ、1カットの長さ等)が一括変更できます。使い方によっては非常に便利な機能ですので、ぜひお試しください。
4 音楽選択
まずは流れの軸となるBGMを選択します。楽曲に関しては第二部の設計書作りで少し触れましたが、今回筆者はJAMENDO MUSICで扱っているクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの楽曲をあらかじめダウンロードし、スマートフォンにファイルに転送していました。今回はそのBGMをライブラリーから選択しています。
筆者はFilmStory上で音楽の編集をしなかったため、音楽素材の編集に関しては割愛いたしますが、音楽ファイルも使いどころを調整したり、2曲目、3曲目を追加できたりします。複雑な音調整はできませんが、多少の編集はできますので興味がある方は音楽編集も試してみてください。
5 素材選択
音楽を設定した後は、並べる素材を読み込みます。画像で説明している通り、並べる順番通りに選択していきます。筆者は最終的に18個の素材を読み込みましたが、一度に18個を読み込むことはせず、シーンごとに読み込んで、少しづつ進めていきました。
一度に全てを読み込むか、少しずつ読み込むかはどちらもで問題ないと思いますが、設計書が固まっている方は、設計書通りに一気に素材読み込んで素材の尺設定などをざざっと済ませて、最初に映像全編の流れを作ってしまう方法もありだと思います。
6 基本ツールメニュー
新規プロジェクトを作成した直後は並べる素材が読み込まれていませんでしたが、素材を選択したあとは画像のように読み込んだ素材が並びます。
基本的にはまず素材を並べて、そのあとに「つなぎ方の設定」「素材の尺や字幕等の設定」をクリックして、次に表示されたそれぞれメニュー内でさらに細かな設定をしていきます。
それでは、次にそれぞれの細かい設定を解説していきます。
7 トランジション設定
聞きなれない「トランジション」という言葉は「変化」を意味します。動画編集におけるトランジションとは、前後のカットをどのように変化させるかを設定する機能となります。また、その変化にどのぐらいの時間をかけるかを設定することもできます。
トランジションの種類については細かく解説いたしませんが、基本的なトランジションパターンがFilmStoryには揃っていますのでお試しください。ちなみに筆者が今回作成した動画では「なし」と「クロスディゾル ブ」の2種類を使用しました。
クロスディゾルブの尺設定には注意点があります。並んでいる前後の素材に例えば中央へズームインするアニメーションを設定したとします。そしてその間をトランジションの尺を長めの4秒等に設定します。この設定で再生すると、トランジション(変化)の真っ最中は前後の写真のアニメーションが完全に静止している状態になっていると思います。
クロスディゾルブに限らず前後のカットが同時に表示されるようなトランジションのタイプは、変化中は素材につけたアニメーションは静止するようになってしまいますので、ケースバイケースではありますが、筆者はクロスディゾルブの尺設定を短めに設定することが多かったです。
8 詳細設定/再生時間タブ
この画面でできることは画像の通りですが、FilmStoryの「フォトエディターで加工」を使って雰囲気のある写真を作成することができます。今回筆者はFilmStoryの中で写真加工をすることはしませんでしたが、この写真加工機能を使って、FilmStory一本で手作りすることも基本的には可能です。
9 アニメーションメニュー
画像のアニメーションパターンもFilmStoryの中には基本的なものが用意されています。画面画像にはありませんが、アニメーションパターンを設定したのち「保存」をクリックすると戻った画面には「ズーム倍率」という項目が追加されていると思います。「1.2〜3.0」のメニュー項目が新たに表示されますが、その項目を変えることでアニメーションの動き具合を調整することができます。
10 字幕リスト
この画面は字幕の追加と設定した字幕をリスト表示する機能があります。「字幕を追加」ボタンをクリックすると挿入する字幕の細かい設定ができます。また、設定済みの字幕がある場合はその項目をクリックすると同じように字幕設定メニューが開きます。
11 字幕設定メニュー1
項目一つ一つの解説はいたしませんが、文章内容の入力、表示時間の設定、フォント、文字の大きさ、レイアウトなどなどが設定できます。
※重要な解説があります※
操作解説に入る前に「テスト書き出し」のムービーを見ていただいき、そこでFilmStoryのバグについて触れました。そのバグを回避する方法ですが、字幕設定の「終了時間」を画像自体の「表示する時間」よりも短く設定してください。字幕が次のカットにも消えずに残ってしまうというバグは、終了時間を短く設定することで一応回避できます。しかし、終了時間も1秒単位での設定となりますので、どれだけ調整をかけても、表示写真とぴったり同じタイミングで消すことは現時点のアプリバージョンですと難しいようです。
11 字幕設定メニュー2
この後にいくつか字幕サンプルを紹介いたしますが、FilmStoryの難点として、文字組み(文字レイアウト)の調整のしにくさがあります。12番の文字揃え設定をした画面画面ですが、「左揃え」の「上配置」を設定すると、画面左上の角にピタっと設置されてしまいます。Phontoのように「移動」機能で少しずつ任意の場所へ設置場所を移すことも不可能です。
例えばSNS用のムービーを作成するのであれば、この状態でもおおきな問題ではありませんが、結婚式場の披露宴会場でスクリーンを使って上映することを想定した場合、間違いなく文字が見切れていきます。仮にスクリーンではなく、自宅のTVでDVD再生するといったケースでも見切れてしまう可能性がかなり高いと思われます。
映像制作では、上下左右の端から10%以内には文字を入れることは避けることが鉄則ですし、できるのであれば20%以内に文字を入れないのがベストです。
[プロフィールムービー手作りあるある記事より引用]
この問題を回避すべく、筆者は文字の頭にスペースを入れて、すこし文字を内側へ入れてみたり、あえてセンター配置に設定して、改行を入れたりして、すこし上の方へ文字位置をもっていってみたりしましたが、あくまでもスペースや改行といった1文字、1行の移動となり、意図する場所に文章を設置することが大変難しく、結果的にはPhontoで組み直すことが多い結果となりました。
※重要な解説があります※
第一部にて今回の実験企画の教訓の一つとして「文字などレイアウトはセンター中心で考える」を教訓にあげた理由はここにあります。FilmStoryで文字入力をする内容はセンターレイアウトにすることをオススメします。また、センター配置であれば下配置に設定してもフォント設定や「-」文字を入力するだけで程よい場所にテロップが挿入できます。
これらの工夫をほどこした、実際の字幕入力画像がこちらです。
この3つの画像のように、スペース、改行、表示されない記号文字を駆使して微妙な文字の配置調整を行いました。
これはグラフィックデザインあるあるのような話になるのですが、文字記号や半角文字はフォント(書体)次第で適切な変換ができずに未表示になることがよくあります。今回のフォント設定した「ふい文字」に限らず、おそらく他の和文フォントでもこの方法は有効だと思います。(試してはいません)
以上で動画編集にまつわる操作解説を終わりにします。
今回の動画制作はこれらの機能を全編にわたって利用しましたが、特に映像の最初やエンディング部分で流れの間(ま)を作ることが写真素材だけでは難しいために、筆者は無地の真っ白な画像と真っ黒な画像もあらかじめ用意して、必要に応じてそれらの無地画像を挿入いたしました。
無地の白黒画像は本号よりダウンロードできますのでお使いください。無地の白画像はこちら。黒画像はこちら。
最後に筆者が素材を並べた実際の画像を掲載しますので、参考にしていただければと思います。
8.動画書出しと上映準備
いよいよ、第一部からはじまり三部にわたって解説した手作りムービー制作も大詰めとなりました。
ここからは最終工程となる
♯5 [動画書出し]完成した動画を書き出す。
♯6 [上映の準備]DVD化する。SNSにアップロードする。
を続けて解説します。
それでは、動画の書き出し方法の説明いたします。
1 保存メニュー
今回の企画で何度か触れていますが、今回は無料アプリで作成するためにFilmStoryの「お試しチケット」機能を活用します。
2 サイズ選択メニュー
今回はフルHDサイズでの仕上げを目標としていますので、1920×1080サイズを選択します。今回の目的以外では、用途に応じたサイズをこのメニューで選択してください。
3 フィルタ or 保存
サイズ選択をすると、書き出し中のローディング画面が入り、書き出しが完了するとこの画面が表示されます。
画面のタイトルを見ると「フィルタ」となっていますが、実はFilmStoryは書き出した動画ファイルに対して、さらにフィルタ処理をすることができます。しっかり検証できたわけではりませんが、一度だけ書き出してみた結果、この段階でさらにフィルタ処理を行うと、画質面で厳しい印象でした。
ここでさらにフィルタ加工することはせず、保存へ進めることをオススメします。
書き出しの説明は以上となります。YouTube等に投稿する場合は、引き続きFilmStoryから「共有」で手順を進めることができますが、その内容を含め上映の準備へ解説を進めたいと思います。
上映の準備について
まず、改めて上映の手段を整理してみたいと思います。
筆者が一番オススメする方法は、DVDやBlu-rayディスクといったディスクメディアを作成する方法となりますが、それ以外に考えられる方法は2つあります。
1つは、あくまでも動画ファイルでフィニッシュとして、PCを会場もしくはご友人等にお借し、会場で動画ファイルをPC再生する方法。
もう1つは、事前にYouTube等にアップロードしておき、会場もしくは自身、友人のPCで再生する方法。
まず一番最後のYouTube等にアップする場合ですが、これはFilmStoryの共有機能を使ってYouTubeにアップする方法で良いと思います。ただし、この方法は当然のことながら再生する際にインターネット接続が必須となります。
次はPCから動画ファイルを再生する方法ですが、この場合はなんだかのデータ転送の手段を使って、本番で再生するPCへデータを転送する必要があります。例えばご友人が余興でPCを使うことが事前に分かっている場合などは、そちらと合わせて会場に相談されると良いと思います。
最後に、筆者が上映再生の安定面としては一番だと考えるメディア作成についてですが、スマートフォンから何かしらのメディア作成することは現時点では不可能ですので、PCでなにかしらディスク作成するソフトウェアでの作業を追加で使うことが必須になります。本号ではディスク作成の解説は割愛させていただきますが、DVDの作成自体は比較的新しい機種のPCであれば、デフォルトでアプリケーションが用意されている可能性が高いと思います。
ディスクを作成する方法ですが、料金がかかりますが別の方法もあります。それはカメラのキタムラ等が行っている、ダビングサービスを使う方法です。
カメラのキタムラダビングサービス:http://www.kitamura.jp/shopping/osusume/os001.html
カメラのキタムラではブルーレイディスクへのダビングサービスも行っています。DVDへのダビングも含めて、PCがなくディスク作成のしようがないという方はこの方法を検討されてみても良いと思います。
9.まとめ
三部作となった「スマホの無料アプリでオープニング手作りに挑戦」企画は以上で終わりとなります。
結論や総括、教訓については第一部でまとめた内容が全てではありますが、手段や機器はさておき、コツコツとお二人で協力して手作りしたムービーであれば、おのずと思いのこもった素敵な映像になると思います。
お二人で楽しく手作りにチャレンジしてみてください!
後日、特別号にてプロフィールムービーも掲載しますのでお楽しみに!
手作りや演出ムービー関連人気記事
|お知らせ|
ココロスイッチは2023年2月4日より新しいオンラインショップサイトへ移行します。
新ショップはURLが変わります。2月4日以降は下記のサイトをご覧ください。
https://shop.kokoro-switch.com/
第一部に続き、第二部に入ります。ここからは具体的に制作手順を解説していきます。
第一部で教訓を書きましたが、それら教訓はこれから説明するフローに沿って進めた結果、得たものになります。教訓通りにしなかったところは、失敗したり苦労が多かった箇所になります。失敗や苦労話のところには特にご注目ください!
1.手作りの流れ
まず、オープニングムービーやプロフィールムービーを自作する際の流れ(作業手順)を列記してみます。
作業手順
♯1 [パーツ集め]写真を集める。写真をスキャンしスマホに読み込む。
♯2 [設計書作り]曲を選ぶ。曲のメロディーに沿って、写真の順番、テロップの内容、時間の割り振りを決める。
♯3 [パーツ加工」写真の補正加工をする。フォトコラージュをする。デザイン文字を入れる。
♯4 [動画の編集]素材並べと時間調整、アニメーション付け、テロップ入れをする。
♯5 [動画書出し]完成した動画を書き出す。
♯6 [上映の準備]DVD化する。SNSにアップロードする。
手作りムービにおける作業手順はこのようになります。
参考までに、今回オープニングムービーを制作する時に筆者が各工程に費やした時間を書き出しておきます。
各工程で要した時間
♯1 [パーツ集め]1時間 ※写真集めにかかった時間は除外
♯2 [設計書作り]3時間
♯3 [パーツ加工」7時間
♯4 [動画の編集]6時間
♯5 [動画書出し]数分
♯6 [上映の準備]10分
合計すると約17時間の作業になりました。筆者はこれを仕事としていますので、仕事中に約2/3ぐらいの時間を使い、のこりの1/3は自宅や移動時間等に作業しました。
また、筆者の場合はこういった制作全般に慣れていることから、曲選び、テロップ内容、時間割り振り、写真加工やコラージュ等は不慣れな方よりも大幅に早く進められていると思います。
作業環境についても、PCに接続済みのスキャナーはすぐそばにありますし、フォトデータのスマホ移動、最終ビデオデータのPC上でのDVD化もスムーズに処理しています。
唯一今回の検証で初めて取り入れた動画編集アプリFilmStoryの実作業は不慣れなため、時間を費やした印象がありますが、それでも日常的に動画編集アプリを使用していることから、慣れるまでの時間は大幅に早いと思われます。
以上のことから、編集以前の作業環境がどこまで整っているか、映像にどこまでこだわるか、写真加工アプリなどの慣れがあるか等々にもよりますが、手順通りに進めたとしても20時間以上は費やすことになると思います。
スマホとメモリーカード等でのデータ移動に苦戦したり、アプリのダウンロードやDVDの作成がうまくいかなかったり、当然写真コラージュや動画編集も初めてで苦戦したりと、スムーズにいかないことの連続だと思います。上記の17時間はあくまでも参考程度にしていただき、写真集めや実制作は挙式日よりも余裕をもって取り組みましょう。
それではここからは、アプリ画面の画像なども掲載しながら具体的なフローを説明しています。
2.パーツ(写真)集め
写真を集めながらイメージを膨らませる
話をわかりやすくするために、手順1が[パーツ集め]手順2が[設計書作り]としましたが、実際には同時並行で進めるような工程になります。
例えば一般的なプロフィールムービーは、新郎の生い立ち写真が10枚、新婦の生い立ち写真が10枚、2人のデート写真が10枚の合計30枚を使って映像を作るのが基本となりますが、これはあくまでスタンダードなプロフィールムービーであり、手作りとなると、例えば合計枚数が50枚の動画を作りたいとか、普通のプロフィールではない一風変わった流れの動画にしたいというような2人のムービーイメージがあると思います。
ココロスイッチで扱う一風変わったプロフィールに「ルージュ」がありますが、この写真素材の内訳は、新郎新婦それぞれの生い立ち写真が各10枚・2人のデート写真が7枚・特別なポーズ写真が25枚というようなプロフィール映像になります。
このように正確に必要枚数が割り出せているのは、基本となる映像がすでに出来上がっているからであり、設計書作りが終わっている状態ともいえます。よって、必要な枚数の写真さえ揃えば要望の動画ができるわけですが、今回の自作の場合は特に決まった流れがあるわけではなく、あくまでもおふたりが自由に流れを作れるため、写真を探しながら、映像の流れの設計をしながら、というのが現実的な状況になると思います。
手当たり次第に写真を集めても、設計書次第では使わない写真がおそらく出てきますし、写真が足りない自体も起こると思います。設計書を先につくっても、デートショットが足りなくて、追加で撮影したりということも必要になるかもしれません。
どちらのケースを考慮したとしても、結局「写真」がないと実制作はまったく進められないので、ふたりの生い立ち写真や2ショットデート写真はまずは多めに集めて、どんどんスマホに入れましょう。
そして、写真を集めながらふたりでどんな感じのムービーにするか、ベースとなるBGMは何にするかを話し合い、設計書を組み上げましょう。
設計書を組み上げてみて、足りない素材があれば実制作に入るまでに、スマホにデータを集めておきましょう。
もし、手本となるムービーがあるという方は、その手本ムービーの中で使わている写真の枚数を数えて、その枚数分の写真集めをスタートしても良いと思います。
[プロフィール映像で使う生い立ち写真も含め、使用する写真をすべてスマホの写真フォルダへ集約]
設計書の説明に入る前に、集めた写真をスキャンしスマホへデータ転送する方法について説明します。
写真をスキャンしスマホに転送する
小さい頃の写真等はいわゆる紙焼きの状態で保管されていることも多いとおもいます。そういった紙焼き写真はデジタルデータに変換が必要です。デジタルデータに変換する方法をいくつか紹介します。
スキャナーの有無、スキャナのワイヤレス対応の可否等々の条件によって、スキャンとデータ転送の方法は変わってきます。スキャナでスキャンしてスマホにデータ移動する方法はいろいろな組み合わせがありますので、この点については代表的なやり方のみ紹介します。
▼スキャナを使ってスマホにデータを集める方法
◯ワイヤレス対応スキャナでスキャンし、スキャン後にスマホにワイヤレス転送する。もしくはスキャナとスマホを有線接続(USB接続など)し転送する。
◯PCに接続したスキャナでスキャンし、microSD等のメモリカードでスマホ(iPhoneは不可)にデータコピーする。もしくはPCから自身が使っているiPhoto、Googleフォト等のフォトクラウドサービスでスマホにデータ同期する。(ちなみに筆者の私はこの方法で、スマホにデータを読み込みました。)
▼スキャン時の「画像解像度」の設定値について
「画像解像度」については、ここでは詳しく技術概要の解説をいたしませんが、デジタルデータの取り扱いはcmといった長さよりも、縦横方向のピクセル数の方が重要になります。デジタルカメラでいうところの画素数であり、ピクセル数の多さです。後ほど詳しくは解説しますが、今回使用するアプリの特性上、L版写真の横向き状態で長辺を1500ピクセル以上で取り込む必要があります。
そのため、一般的なL版横写真の長編を1500ピクセル以上にするために、画像解像度は「400dpi(ppi)」以上に設定してスキャニングを行います。(スキャナによって、解像度の単位がdpiとppiがありますが、同じと理解してください。詳しく解説しませんが、厳密にはそれぞれの成り立ちや概念は違います。)
400dpi「以上」に設定と書きましたが、結論から言うと500dpiで取り込めば間違いありません。
ただし、プリクラのような小さいものを取り込む時、L版写真が集合写真等で自分にズームアップしたいというような時、この二つのケースでは、より大きな解像度を設定してください。500dpiより数倍大きな解像度で取り込み、取り込んだ画像のピクセルサイズをチェックして、1500ピクセル以上を目指してください。
もう一つ、縦向きの写真の解像度はどう設定するかですが、結果的には横向きと同じ解像度で問題ありません。ただし、縦向き写真は今回のアプリ機能だと、レイアウト面やアニメーション面でうまくいかないことが多いので、基本的には横向きを軸に写真選定されることをお勧めします。詳しく知りたい人は次の説明をお読みください。
▼解像度設定と縦型の写真取り込みに関してさらに詳しく説明します。(細かく気にしない方は飛ばしてください)
まず今回作成するムービーですが、最後ビデオファイルの出力(書き出し)想定がフルHD(ハイディフィニション)と言われる、現在では一般的に高解像度と言われる横1920ピクセル×縦1080ピクセルを想定しています。いわゆる地上波デジタルTVやBlu-rayディスク相当の映像サイズです。ちなみにDVD等は720×480ピクセルの映像サイズとなり、DVDとフルHDの単純な画素数比率で言うと、6倍となります。
今回作成した動画を最終的にDVDにするのであれば、DVD相当のサイズ(720×480)に合わせてスキャニングをするのが本来は正しいです。しかし今回はスマホでHDサイズの動画編集が可能かを検証する目的があったり、最後にどうやって上映するか(DVDなのか、Blu-rayなのか、PC再生なのか、YouTube等アップロード再生か)は作成者の希望や式場の設備状況によると思いましたので、どのようなケースにも対応できるフルHDサイズでの検証を進めています。これをDVD想定から始めてしまうと、フルHDへコンバートしたいといった場合には、基本的に写真スキャンからすべてやり直しになります。
少々話がそれましたが、今回はフルHDサイズの映像を作成することを念頭に、スキャニング時の解像度設定を解説いたします。
先ほど、今回のアプリの特性上として1500ピクセル以上の写真画像として読むこむ必要があると言いましたが、400dpiで取り込むと横2000ピクセル、縦1400ピクセル程度の画像として読み込めます。(スキャナの機種や写真原稿の自動切り抜き次第で、ピクセルサイズは若干前後すると思います)
400dpiでスキャンすれば、1500以上であり、かつフルHDの映像サイズ1920よりもわずかに大き写真素材として読み込むことができます。
動画編集で写真にズームアニメーションをつけたり、それ以前にコラージュアプリで拡大トリミングしたいというケースが出てくると思いますが、それを想定する場合は、拡大倍率にもよりますが500dpiでスキャニングするれば基本的には画質は綺麗に保たれます。
アニメーションや拡大をしないという場合でも、いざ編集作業を始めたらちょっとズームとか、ちょっと顔をアップに、というケースが出てくるとおもうので、500dpiに設定しておいて損はないと思います。
[EPSON Scanの解像度設定]
<L版写真をスキャンした時のサイズ>
解像度300dpi:1500×1050ピクセル HDサイズに足りない
解像度400dpi:2000×1400ピクセル HDサイズとほぼ同じ
解像度500dpi:2500×1750ピクセル HDより一回り大きい
次に縦向きの写真ですが、結果的には500dpiで取り込みをすれば、縦方向の長編が2000ピクセル程度になりますので、HDの縦サイズ1080を大きく上回ります。よって、画質面の問題はまったくありません。問題はレイアウトやアニメーション面です。基本的には縦写真をビデオ画面内に入れたいと思えば、左右に大きな余白ができます。それを避けたいと思って、写真を画面いっぱいにし、下から上に移動しながら見せていくアニメーション(パンアップ、ティルトトアップといったりします)をつけて対処したりすることもありますが、他のシーンと比べて、そこだけ極端に左右に空きが出ることも、上下動の激しいアニメーションがつくことも、筆者個人としてはあまりバランスが良いとは言えないので、できるだけ縦構図の写真は使用しないように心がけています。
[FilmStoryで縦型写真を読み込んだ時の画面]
複数枚の写真を一枚のカットにレイアウトする(コラージュ画像を作る)ような時は縦構図の写真も巧みに使った方が良いと思いますが、生い立ちの写真やデートショットを一枚一枚見せるシーンでは、アンバランスになることを前提に割り切って使うしかないと思います。テクニックとしては、先ほど挙げたような写真に上下移動のアクションをつけたり、全体像の縦写真と自分たちのアップ部分だけを切り抜いた画像を組み合わせて、余白部分を埋めたりという工夫ができると思います。
スキャナと使う場合の解説は以上です。次に、スマホのカメラ機能を使うやり方を紹介します。
スマホのカメラで撮影する方法
カメラアプリで撮影する方法と文書等を手軽にスキャンするアプリで撮影する方法の2パターン紹介します。
どちらの方法もスマホ端末に直接画像を保存できますので、データの転送作業がなくなり、先々の写真加工や動画編集がスムーズに行えます。
デメリットは、スキャナでスキャニングする時よりも写真が歪んだり、取り込み後の画像のシャープさ(輪郭表現の精細さ)が欠けたり、光や撮影者の写り込み等により均一で綺麗なスキャニングが難しいことになります。
▼スマホ標準のカメラアプリで撮影する
撮影時の注意点とポイントを付け加えておきます。
先にも触れたとおり、今回はアプリの性質上長編を1500pピクセル以上にする必要がありますので、写真を撮影する際はできるだけアップで撮影する。スクエアサイズ(真四角)での撮影はしない。
ちなみに、iPhone4s〜6 Plusまでのメインカメラ(iSight)の写真サイズだけお伝えすると3264×2448ピクセルの800万画素です。6s以降は1200万画素とさらに高解像度になっています。
撮影のコツですが、撮影するときの部屋の照明や外光の入射具合によりますが、いざ写真をテーブルに置いてスマホカメラで撮影しようとすると自分や影や、照明器具の明かりが写り込んでしまうことがあります。
それを回避するためには、テーブルに置いて撮影するのではなく、剥がれやすい両面テープ等で写真を壁に貼って、自分は直立でカメラを正面に向けて撮影する方法もありますので、こちらもお試しください。
[iPhone iSightカメラで写真を撮影する様子。よく見ると写真に撮影者が写り込んでいます。]
▼Office Lensで写真を撮影する。傾きを補正する。
撮影したときの傾きを補正するアプリを使用します。スマホ純正のカメラアプリに比べると補正処理が入ることがあり、画像が若干劣化する印象があります。この方法は真上からスマホを構えると影や電球の写り込みが入ってしまうというときに、写真を煽って撮影しても、アプリの方でいわゆる台形補正をしてくれます。方法としては大変有効ですが、例えばiPhone6で撮影した場合、3264ピクセル×2448ピクセルの写真からさらに、台形補正と余白を取り除く切り取り作業が入りますので、撮り方次第では、補正後の写真サイズが小さくなります。
この方法でも、やはりなるべく写真に近ずいてアップで撮影しましょう。こちらの画像が実際にOffice Lensでスキャニングしている画面です。操作はとっても簡単です。
[Microsoft社製、Office Lensのアプリ画面]
代表的かつ操作が簡単な台形補正アプリとしてMicrosoft社のOffice Lensを紹介しましたが「スマホ スキャナ 傾き 補正」等でネット検索するとこの他にも色々なアプリが出てきますので、お試しください。
「手順1[パーツ集め]写真を集める。写真をスキャンしスマホに読み込む」については以上です。
次に手順2の[設計書作り]について解説します。
3.設計書(映像構成)作り
設計書作りは、曲を選ぶ。曲のメロディーに沿って、写真の順番、テロップの内容、時間の割り振りを決める。といったデザイン面よりも映像の流れと入れる要素の時間配分を「整理」することが一番の目的です。
頭の中でなんとなく「整理」するのではなく、紙に手書きするか、メモソフト等に入力して「整理」してみましょう。キレイに書くことよりも、とにかく何かに書き出すことが重要です!
▼曲を選ぶ
まずは曲を決めましょう。オープニングムービーは2分程度、プロフィールムービーは5分程度のBGMにすることをオススメします。
仮にオープニングムービーを4分、プロフィールムービーを10分とした場合に、制作にかかる編集時間は単純に2倍になると思ってもらって良いと思います。作業が大変だから短くした方が良いというアドバイスでもありますが、長すぎる映像は見る側にとってもあまり良い印象を持ちませんし、長い分それなりの完成度が必要になる為、不用意に長い映像は避けることをオススメします。
また、BGMはできれば第三候補ぐらいまで、目星をつけておくと良いと思います。第一希望のBGMですんなり制作に入れれば良いですが、設計書の段階で写真やメッセージを埋めてみた結果、思ったような流れにならないとか、尺がすこし短い、反対に尺が少し長いといったときに、第二候補、第三候補の曲に変更するといったケースもあります。
参考までに、今回オープニングムービーとプロフィールムービで使用した音源はこちらのサービスからmp3ファイルをダウンロードして使用しています。
JAMENDO MUSIC:https://www.jamendo.com/start
※著作・ライセンス関連については、今回詳しく解説いたしませんが、クリエイティブ・コモンズ(通称:CC)という枠組みのライセンスで使用の許可がされている楽曲を使わせていただきました。CCを簡単に説明すると、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をしたコンテンツということになりますが、楽曲であれば再配布や楽曲自体の編集の禁止、また作曲者や曲名の表記の有無などの決まりが楽曲ごとに定められていますので、詳しくは使いたい楽曲のライセンスページをご覧ください。
▼曲のメロディーラインを割り出しBGMの流れを掴む
改めて、完成映像を見てみましょう。
写真提供:世界中の絶景でウェディングフォトを撮影しているBackpack Wedding
公式Web:http://backpackwedding.com/
Facebook:https://www.facebook.com/backpackwedding/
今回筆者がサンプル映像を作るために、曲を選んだのちに書いた設計書がこちらです。
実はこの設計書の前に、別の曲でメロディーラインを割り出して、入れたい写真やテロップの入れる箇所の見当をつけてみた曲があるのですが、二人のデートショットを連続で並べるまでの、冒頭タイトルとショートプロフィールの部分がその曲だとうまく並べられそうになかったので、曲調はよかったのですが、この曲にチェンジした経緯があります。
BGMを変更し、改めてメロディーラインを取り直した結果が、紙の左にかいてある「♪BGM」という欄です。
Aメロ→Aメロ→Bメロ→Bメロ→ブリッジ(間奏)・・・と書いてありますが、それに合わせてタイムコードも秒単位で書いてあると思います。
音楽は不得意という方も心配いりません。筆者がいう曲のメロディーラインを割り出すといいのはメロディーが繰り返されるところや曲調が変わる「節目」をただ書いているだけで、拍子や小節、使われている楽器等を事細かに分析しているわけではありません。まずは決めた曲の節目節目を参考写真のように左に並べてみてください。
▼節目にストーリー展開を書く
書き終えたとして、例えば今回のサンプル映像の曲はざっくり10秒間隔で節目がきますので、その節目にあわせてストーリーを展開すればいいということになります。
今回のサンプルで筆者は「Photo」の欄の緑で描いてある説明文字のようにストーリ展開(シーン)を割り振っていきました。そして、さらに細かくカットを割り振っていきました。
具体的には、例えば「2人のイメージ」というシーンはAメロで10秒間の時間がありますが、新郎新婦それぞれ5秒ずつのカットを割り振りました。
次のシーン「2人のプロフィール」では、新郎新婦それぞれにBメロ10秒間を分配しています。ここはプロフィール紹介ですので、文字数が多くなることを想定し、節目をひとつずつ配分しました。
このようにして、BGMの最後まで、節目を意識しながらシーンとさらに一段細かくカットを割り振っていきます。
▼カットに文字要素や写真内容の見当書きをいれる
このシーンとカットの割り振りをしながら同時並行で、赤いペンで書き記してあるようないわゆる「テロップ」「字幕」といわれるコメントを挿入する箇所も当たりをつけていきます。
また、シーンやカット展開と合わせて必然的に決まってきますが、「ここは新郎の小さい時の写真」「ここは新婦1人のイメージ写真」「ここからが2人のデートショット」などというような挿入する写真内容もメモをしておきます。
▼当たりをつけたテロップ挿入箇所の文章を考える
動画の最後までカットの割り振りまでできたら、文章内容を十分に見当し、文字情報を確定させましょう。
注意点としては、文字量があります。こちらの「プロフィールムービー手作りあるある【失敗編】」記事にもあるように、
日本人が読める文字数は、一説には1秒で4文字といわれています(実際はもっと認識できるという話もあります)。
これだと例えば文章が20文字の場合、20文字÷4文字で、読むのに5秒間はかかるという計算になります。
ですので、例えば1カット5秒の箇所には20文字程度、10秒のところには40文字程度を目安に文章原稿を考えると良いと思います。
実際に文章を考える段階は、この設計作業の大詰めになります。
ここまで順序立てて、曲の分析、シーンとカットの割り振り等々を進めてきましたが、入れたい写真や文章を決める段階にさしかかると、シーン展開に合う写真がないとか、反対に当てる文章がパッとしないために写真を変えてみるといった、推敲作業に移っていきます。
実際筆者も、掲載している設計書写真が1枚目という訳ではなく、初期はもっとラフで写真と写真に対しての文章を書き出す作業をしています。そして、文章を固めながら、多めに集めた写真データの中から「この写真をつかおう」と目星をつけることも行っています。
第一部で書いたように、今回の動画制作ではテロップを入れるために使う手段が2通り出てきます。ひとつは写真コラージュアプリ「Phonto」で文字をいれる方法。もうひとつは動画編集アプリ「FilmStory」で字幕処理する方法。
第一部の繰り返しになりますが、Phontoで文字入れをする場合、複数枚コラージュ画像を制作したとして、最初に作成したコラージュ画像の編集プロジェクトは残っていませんので、文字情報を変えたいと言った時に、一から作り直すことになります。この作業は重なれば重なるほど疲れが増していきますので、文章は実編集に入る前に確定させておくことをオススメします。また、教訓で書いた通り、基本はセンター配置で文章を示させることを念頭に置いて考えていきましょう。
筆者は、文字原稿を確定させる作業を終わらせないまま実編集に入りましので、コラージュ画像の作り直しを頻繁に行う結果になりましたし、必然的にコラージュアプリと動画編集アプリを行ったり来たりすることも多くなり、大変な思いを致しました。
設計書(映像構成)作りの解説は以上です。
設計作業でつまづいたり、難しいと感じた方は下記のような方法もあります。
◯ゼロからではなく、参考動画をベースに考える方法もある
私にはゼロから映像の流れを組み立てたり、文章のイメージもまったく湧かないという方はなにかしら参考となる動画を探してきて、それを真似する方法が良いと思います。
その場合は、その参考動画の要素写真の必要枚数、テロップの挿入箇所数などを割り出して、メモを取り、その要素を自分たちが選んだ曲に当てはめ直す作業を行ってください。面倒でも、この作業はやっていただいた方が、結果的に写真加工や映像編集に入ってからの作業が効率的になります。
◯BGMの流れは無視して、写真やテロップを好きなように並べる方法もある
BGMは好きな曲が流れてればオッケーという方もいると思います。無理して曲の展開に写真やテロップの出るタイミングを合わせる必要もないし、尺が足りなければ2曲目を足せばいいし、短ければ成り行きでBGMがフェードアウトしてくれればいい。こんな方も多数いらっしゃると思います。その場合、極論手当たり次第テロップと写真を頭から入れていけばオッケーですが、簡単でもいいので、写真の順番とメッセージ内容をあらかじめメモ書きしておく設計作業はやっておくことをオススメします。
スマホに向かいながら、順番がこれじゃない、それでもない。テロップがああでもない、こうでもない。とやるのは結構疲れます。
第二部は以上です。第三部より、写真加工、コラージュ画像作成、動画編集といったアプリでの実作業に入ります。
手作りや演出ムービー関連人気記事
本号は非常にチャレンジングな実験企画です!
きっかけは、先日知人とムービー編集や写真加工に関するスマートフォン向けアプリの情報交換をしていた時のこと。
知人が「これらのスマホアプリ駆使したらそれなりのムービー作れちゃうよね!」といった発言をしたことから始まり、「ならば、実際にどこまでできるかやってみよう!」ということからこの実験を思い立ちました。
始める前は「プロをも凌駕するとんでもないムービーができてしまうんじゃないか…」とか、「動画ができたとして、完成ムービーの画質は荒くないのだろうか…」とか、様々な期待と不安が交錯しました。
そして、実際にオープニングムービーとプロフィールムービーをスマホだけで完成させることができましたが、結論からお伝えすると、一般的な手作り動画はスマホでも十分できます!!
筆者の想像をはるかに超えるような結果にはなりませんでしたが、見る方によっては「え?これスマホで作ったの?すごいねっ!」という印象を持つ方もいるのではないかと思います。
スマホ制作とプロのPC制作の比較総括ですが、映像面の細かなクオリティー調整を施すアプローチは、やはりプロが使用するソフトウェアが圧倒的に優れていました。この点ついては、根本的にスマホアプリはスマホで操作できる範囲に機能が限定されていることが背景にあると思います。
また、完成動画データの画質レベル(ビデオファイルの書き出し品質)についても、花マルといえる結果ではありませんでした。この点も小さな画面のスマホで見るムービーであることや、書き出し処理の際に端末性能の兼ね合いもあり、画質より処理速度を優先したこと、スマホ(端末内記憶メモリ)に手軽に保存できるようにビデオファイルの容量軽減を重視したことなどの事情が垣間見える結果となりました。
今回の実験企画は、スマホ制作とPC制作での完成ムービー比較をすことは致しませんが、筆者自らスマホで全ての手作り作業を実体験し、そこから得たスマホだけでムービーを作る教訓やプロ目線でのアドバイス、そして具体的なアプリ操作説明等を解説していきたいと思います。
本号を第一部とし、下記の三部プラス特別号で完結としたいと思います。
|第一部| 結論と教訓 |第二部| 事前準備(写真集め・写真スキャン・構成作り) |第三部| オープニング映像実制作(写真補正・フォトコラージュ・動画編集) |特別号| 同様のやり方でもう1つ映像手作り(プロフィール映像)
それでは、第一部の本題に入りたいと思います。
まずは、完成したオープニングムービーをご覧ください。完成映像を見ていただいた方がこの先の実験記事を読み進めるうえで理解しやすいと思います。
写真提供:世界中の絶景でウェディングフォトを撮影しているBackpack Wedding
公式Web:http://backpackwedding.com/
Facebook:https://www.facebook.com/backpackwedding/
いかがでしたでしょうか?
アプリを使っての具体的な作成方法は第三部で解説しますが、手作りの実制作で使用したアプリは、写真補正に「Snapseed」、フォトコラージュに「MOLDIV」と「Phonto」、動画編集に「FilmStory」の4アプリです。これらを組み合わせれば、ご覧いただいたようなムービーが自作できます。
4つも駆使するのか・・・と感じた方、どこまで細かいところにこだわるかによりますが、動画編集アプリのFilmStoryだけでもムービーはできます。詳細は第三部にて。
まず、今回の実験記事の流れですが、先に結論とコツから触れていきたいと思います。
そして、その結論とコツの発見に至るまでの、具体的な制作フローやアプリの機能紹介を解説しながら、失敗例、苦労話などを織り交ぜていきたいと思います。
また、先にお断りしておきますが、今回は「無料アプリ」を前提にアプリの選定と検証をしています。有料アプリであれば、今回の検証結果がもっと良い方向になることがあったかもしれません。今回の手作り実験はすべて無料アプリで作成可能ですが、動画編集アプリとして選定したFilm Storyは、無料だと動画に挿入されるクレジットが削除できないため、検証のおわりに有料版を購入しクレジットを削除したムービーを作成しています。クレジットが入っても気にならない方はすべて無料、クレジットを削除したい方は480円(Film Storyプロ版購入/5.20記事掲載時点)の費用が必要となる旨、あらかじめご了承ください。
1.結論
結論その1:映像面における細部への追求をしなければ、スマホで十分動画制作ができる。
※「映像面における細部」とは、写真や文字のアニメーション(動き)や0コンマ単位の時間調整、テロップの配置位置や飾り処理などを指します。
細かい部分へのこだわりも諦めずに完璧にやりたいという方もいると思います。もちろんこだわり抜いた完璧な動画を作る事も、今回の検証を通じて「ひたむきに頑張れば可能だ」という手応えもありました。しかし、後ほど「実験してみて想像より悪かったこと」で触れる通り、長時間のスマートフォン作業は想像よりはるかに大変な作業になること、小さい画面で細部にこだわった作業はそもそも難しいこと、そして、スマホアプリの特性上極めて細かい部分へのアプローチはしにくい作りになっている事、この3つの理由が重なって、結果的に細部へのこだわりは捨てざるを得ない状況になります。
プロの映像クリエイターは当然映像面における細かい部分をこだわっていますが、実はそのほかにも完成映像がキレイに仕上げるように、写真補正時や完成した映像の書き出しの際は作成した写真や映像に合わせて適切な設定をし、常にキレイな画質が保たれるようなテクニックを駆使しています。スマートフォンの画面は小さく、かつ画面自体が光沢性のあるガラス素材でできているため、一見するとキレイな写真や映像に見えますが、拡大してみると画質に関してはキレイでないことが少なくありません。
スマホでの作業では、細部を拡大したり、書き出しの品質設定を細かく調整できるような設定項目はほとんどなく、基本的には一般向けに簡易さを優先したアプリ任せの設定になっています。アプリ側の品質設定を決定する際におそらく、画質をとるか、画質よりスピード(書き出しの処理速度)や再生時のスムーズさをとるか、というような議論がされていると思いますが、基本的には再生時のスムーズさを優先しますので、それはつまり、画質を落としてデータサイズを極力小さくするような設定値が基準値として定められることになります。今回実験でも、完成したムービーをPC上で実寸サイズ再生して見た限り、SNS等で投稿して視聴する程度の画質という印象でした。
この点もについても制作者側で画質設定をチューニングするようなことはできないため、諦めざるを得ないこだわりといえると思います。
結論その2:画面1枚のレイアウトやデザイン面は、根気よくやればかなりおしゃれなデザインにできる。
スマホは写真加工やフォトコラージュアプリが大変充実しているため、1枚のデザイン画像はPCより簡単に良いものができると感じました。PCではできないというわけではなく、それなりのデザインソフトを使えば当然PCでもできます。しかし、一般の方が操作するアプリとしてはスマホの方が簡単ですし、最近のフォト関連アプリにはとにかくたくさんのテンプレートが入っていて、それらのテンプレートを組み合わせる事ですぐにプロさながらのデザイン画像ができます。
※テンプレートとは、ある程度加工設定がされているものを指します。その設定テンプレートを選ぶだけで一定以上のデザインや写真加工が実現できます。
難点を挙げるとすれば、1枚、2枚という数量の画像加工ではなく、20枚、30枚というような画像加工になるため、映像全編でこだわり抜いた写真補正やコラージュを施すのは、かなり根気が必要な作業になります。
注意点としては、写真補正(輝度や彩度といった色補正や、シャープネスやぼかし入れ)をしていると、アプリで色々加工できるためにあれやこれやエフェクトやテンプレートを組み合わせた結果、一見すると雰囲気満点のおしゃれな写真加工ができように見えますが、エフェクトを重ねすぎたり、極端な色補正をしたことにより画質劣化が発生している可能性がありますので、画像補正の際はしっかり拡大して確認することをオススメします。
結論その3:最後の動画編集はPCがあるならPCで行うことをオススメします。
結果その1と結果その2を踏まえての結論その3となりますが、PCを所有している人であれば、最後の動画編集、ビデオ編集の工程はPCで行うことをオススメします。
もし、PCがないという方は、この結論その3はスルーしても大丈夫です。スマホで動画編集が絶対ダメというわけではありません。ちょっと楽をして、更にキレイな映像書き出しをしたいならPCがオススメ!というような話です。
結論その2で触れたように、写真加工やコラージュについては、おそらくスマホの方が簡単かつデザイン性に富んだものができるとおいますので、映像を構成する素材準備(写真加工、レイアウト、デコレーションなど)まではスマホで行い、出来上がった素材を最後はPCに移して、PC上の動画編集ソフトで作業をします。
結果その1で触れたとおり、スマホアプリで映像面における細かい部分へこだわりは捨てざるを得ません。結果的に映像作りという面では、どれだけ頑張ってもスマホでは限界がありますし、映像で重要なテロップ周りの作業もかなりやりにくいのが最大の難点です。であれば、いっその事PCでの作業に切り替えてしまった方が筆者としては、映像としてもワンランク上の映像に仕上がりますし、一番は小さい画面での作業から抜け出せますので、ストレスが大幅に軽減されると思います。
もう一つ、今回の検証では一般向けのPC動画編集ソフトでのテストをしていませんので、確実PCが勝ると断言できないところはありますが、最終的に完成したムービーを書き出す(専門的にはムービーエンコードといいます)作業が必ず最後に発生しますが、この書き出しの画質レベル(アプリのエンコード性能が左右する)については、PCソフトが優位だと思いましたので、その点から考えても、やはり最後の動画編集はPC側で行えるのであれば、PCの方が適切だと感じました。それに、もし披露宴会場での上映がなにかしらDVDやブルーレイというようなディスクメディアにする必要がある場合、結果的にPC等へデータ移すことになるのであれば、無理にスマホでの作業を継続することは得策とは言えないと思います。
結論は以上です。次に結論から導き出した制作にあたって具体的なコツの説明に入りたいと思いますが、その前に結論を少しだけ飛躍させて「やってみて想像より良かったこと」「やってみて想像より悪かったこと」をまとめます。このまとめの後にコツに触れたいと思います。
2.想像より良かった事、悪かった事
実験してみて想像より良かったこと
◯オープニングが2分程度、ショートプロフィールが3分程度の動画編集となったが、動画アプリでの編集中はアプリの挙動が重く、作業がスムーズには進まないだろうと想像していただが、全くストレスなくアプリで動画編集ができた。動画編集で使用したFilmStoryは操作性が非常に良かった。編集作業や加工した動画のプレビューや完成ビデオファイルの書き出しも想像以上に早く、アプリとスマホの処理性能の高さに驚いた。
◯当然といえば当然だが、スマホでの作業はいつでもどこでもやることができる。オープニングムービーをつくる際、下準備(写真収集、構成作り)を除く実編集作業(写真コラージュ、文字入れ、動画編集)は結果的に13時間程度かかったが、会社、自宅、カフェ、電車移動中といったように、場所を選ばず隙間時間が有効に使えた。
◯この実験に取り組む初期から唯一諦めていたものに、文字や写真の「アニメーション」があるが、思っていたよりも写真のアニメーションはつけやすかったし、動き具合もまずまずだった。
[FilmStoryのアニメーション設定画面]
実験してみて想像より悪かったこと
◯フォトコーラージュアプリ「MOLDIV」と「Phonto」での文字入れ作業や文字の位置調整等が、スマホ画面が小さく指で位置調整する作業は、本来キーボードでのカーソルやマウス移動するような感覚と違って、意図する場所に配置できずかなり苦労した。動画編集アプリ「FilmStory」での文字入れはそもそも好きな場所に文字を配置する設定手段すらないため、スペース(1文字空白)や文字揃いや行間というような文字設定だけで配置する必要があり、意図した場所に配置できないのでかなり苦戦した。
◯例えば映像の前半部分をつなぎ終えて、できたところまでをプレビューした時に「ここの写真の色補正やデザイン文字の位置、もっとこうしたほうが良いな、フォトコラージュアプリで修正しよう」というような場合に、フォトコラージュアプリ側で過去に加工したコラージュプロジェクト(編集内容)を保存する機能がないため、直したい箇所も含めて、すべてゼロからコラージュ画像を作り直すことになり、試行錯誤、修正と反映の作業は本当に多くの時間を費やすことになった。PC上で仮に同じような修正と反映作業するオペレーションを比較した場合、とにかくスマホで過去プロジェクトに戻れない点は非効率の極みだったと感じる。正直終盤は「もうこれでいいや」となるほど、一番やっかいな作業となった。
◯これも非効率系の内容になるが、1枚、2枚という加工枚数ではなく、数十枚単位での写真コラージュ等が必要になる場合に苦労を感じたことだが、例えばA、B、C、D、Eの5枚の写真コラージュで、同じ文字の大きさ、同じ文字の色、同じ装飾設定をしたいといった場合に、Aの設定をB〜Eへ一括適用させることはできず、Aの設定値等をメモをとったりし、B〜Eへ1つずつ、毎回同じ内容を入力する作業は、PCアプリでの作業と比較して効率が悪くストレスを感じた。
◯筆者は日常より、SNS等へ写真投稿するために写真加工や文字入れ等をアプリで行っており、苦ではない方だと思っていたが、1枚、2枚というような枚数ではなく、多くの写真を扱う必要があったり、前述のトライアンドエラー(試行錯誤)や設定値コピーができないといった作業効率の悪さ、小さい端末画面での繊細な指作業が長時間続くことが、これだけきついとは思わなかった。クオリティー面の追求を初めからしなければ、もっと気持ちは楽だったかもしれないとも思うが、筆者として新しく取り入れたアプリはFilmStoryしかなく、その他のアプリは日常的に使い慣れているアプリであり、ある種のアドバンテージがあった。もし複数の不慣れなアプリを使うケースの場合は、クオリティーへの割り切りがあったとしても、アプリを使いこなすまでの苦労があるため、結果的にはやり苦労が絶えないスマホ作業になるだろうと予想できる。
[MOLDIVのコラージュ編集画面]
3.導きだした教訓・コツ
「3つの結論」と「実験してみて想像より悪かったこと」にあるような苦労や失敗を避けるために大切はことは何かを整理してみると、今回の「スマホの無料アプリでムービーを自作する」為の教訓がみえてきました。
筆者なりの見解になるかもしれませんが、教訓・コツはこうです。
教訓1:下準備は必ず終わらせてから編集作業にはいるべし。
下準備には2つの工程があります。
[A]写真集めや写真のスキャニングといった、挿入する写真データの収集作業
[B]ベースとなる曲を選び、その曲に対して写真素材をどのような順番でならべ、それぞれにどのぐらいの時間分配をするかをあらかじめ決めておく、設計(構成)作業
繰り返しになりますが、スマホでの作業でトライアンドエラーは回数が重なるほど疲れます。理想ははやり「パーツ」と「設計書」をあらかじめ準備し、設計書の通りにパーツを組み上げていくことです。
いわゆる「理想論」というように受けとらえる方もいると思いますが、一部の写真(パーツ)が不揃いの状況から始め、いざ追加写真が到着した時に生い立ちの順番が狂ったり、何かしら前後にまで修正が発生したりとなると、今回駆使したアプリの場合だと、やってきた作業が全部とは言いませんが、5割以上は無駄に終わります。
素材(写真とテロップ)を全て揃える。曲を決める。曲に対して素材配置を決める。ここまでできてから初めて実際のフォトコラージュや動画編集に入りましょう。
[プロフィール映像で使う生い立ち写真も含め、使用する写真をすべてスマホの写真フォルダへ集約]
[実際に筆者が書いた設計書]
ちなみに筆者はテロップを一部確定させないまま設計作業を終りとしましたが、写真素材は全てデータ化し揃えていましたし、当然曲も決めて、時間配分も決めてからフォトコラージュや動画編集に入りました。そのため、編集を始めてから表示させる順番や時間配分で悩んだり、この写真が後だった、先だった、といったよう試行錯誤に振り回されることはありませんでした。これでもし順番変更や素材の追加とかあったら、途中で投げ出してたかもしれません。それぐらい本当にスマホでの変更対応は極力避けたい作業内容となります。
この設計作業にはもう一つ目的があります。それは、選んだ曲が最適かどうかを編集する前に見極めるということです。
選んだ曲が尺が長すぎたり、短すぎたり、思ったような展開や雰囲気にならない曲だとあとあと分かったとしたら、そこまでの編集が水の泡です。それを回避するために、曲を決め、その曲に対して事前に時間配分を決めていきます。もしも配分している段階で、この曲は合わないなと分かれば、別の曲で設計作業をやり直せば良いですし、スマホでの編集作業に入ってから曲変更した時の労力から考えれば、この設計やり直し作業は最小限のロスですみます。
教訓2:テロップ要素はできる限り決まった状態で実制作に入るべし。また、文字レイアウトはセンター配置を中心に考えるべし。
今回の実験ムービー制作の際は2つの手段で「文字入れ」作業を行っています。
[A]MOLDIVでコラージュ画像を作成したあとに、その画像をPhontoで読み込み文字入れるする方法
[B]動画編集のFilmStoryの字幕機能を使って文字入れるする方法
この2つアプリの詳しい操作説明は第三部でしますが、2つのアプリの長所や短所を先にお教えします。この傾向を理解することで文字情報をなるべく確定させること、配置をセンターにすることの理解がより深まると思います。
Phontoの長所は、非常に細かく文字の設定ができ、下記の画像のような文字組みが可能です。日本の方が開発しているため、和文フォントも充実しています。試行錯誤すればオシャレなフォントですてきな画像が作成できます。
[Phontoで作成した文字組み画像]
しかし短所があります。例えば一枚目の画像を作成して、次に二枚目の画像を作成すると、一枚目の編集プロジェクトは消えてしまう為、動画編集をしてみて、すこし文字を小さくしたいな〜とか、もう少し文字の位置を調整したと思っても、ゼロからすべて作り直すことになります。
次にFilmStory長所ですが、文字の表示されるタイミングを設定できたり、アプリの開発元が日本の会社ということで、和文書体(フォント)の種類が充実しています。さらにPhontoと違って、こちらは最終作業の動画編集アプリですので、作業内容がすべてプロジェクトに保存されていますので、文字の打ちか変え等はいつでも簡単にできます。もちろん遡って違う箇所の文字を修正したりすることもできます。
短所は「ここに文字を入れたい」と思った場所に自由に文字を入れることができません。例えばPhontoで作成したような文字のレイアウトをFilmStoryで再現しようとした場合、できなくはありませんが、位置調整にかなり苦戦しますし、行間や文字間を調整する設定項目がない為、行と行や文字と文字の間のバランス調整はPhontoのようにキレイに並べるようなことは難しいです。
[FilmStoryで字幕入れをする画面]
Phonto、FilmStory双方の文字入れ機能の長所をうまく使い分けることが、今回の実験からえた教訓でありコツになります。
コツは、キレイに文字組みをしたい場合はPhontoで行うべきだが、修正はゼロからになるのでなるべく修正がないようにする為に文字情報はできるけ確定させること。
Phontoでキレイに文字組みをする必要がないものはFilmStoryで行えばよいが、反対に文字の位置調整等の自由度が低い為、文字入れは基本的にセンター中心にすること。
また、修正作業が容易なこともあり、強くこだわりがある場合以外はなるべくFilmStoryでの文字入れをオススメします。
(例外のケースとして、文字の出現や消滅の制御したい場合は必然的にFilmStoryで行う必要がある為、デザイン性は割り切るしかないです。)
教訓を短くまとめると
「パーツは全て揃える」「設計書を必ずつくる」「文字などレイアウトはセンター中心で考える」
この3つコツを念頭にスマホでのムービー手作りに取り組んでみてください。
「映像作り」に入る前のコツばかりで、映像作りのコツはどうなのか?という質問を受けそうですが、映像作りに関するコツはこちらの「プロフィールムービー手作りあるある【失敗編】」記事をご覧ください。プロフィールムービー向けの記事になっていますが、基本的なところはプロフィールムービーと変わりません。
メッセージの文字数が多すぎないか、メッセージ内容に不適切な内容はないか、画面の上下左右の端の方にメッセージや写真の顔がないか、完成した動画自体の尺は長すぎないか、これらが「映像作り」においての注意点であり、コツです。本号でテスト的に自作した動画も当然これらすべてのことを考慮して作成しています。
画面の端にメッセージ等を配置しないようなやり方は、第三部の実制作で解説しています。
第一部は以上です。いよいよ、第二部より実践に入ります。
手作りや演出ムービー関連人気記事
|お知らせ|
ココロスイッチは2023年2月4日より新しいオンラインショップサイトへ移行します。
新ショップはURLが変わります。2月4日以降は下記のサイトをご覧ください。
https://shop.kokoro-switch.com/
こんにちは!気温も急上昇しポカポカ陽気です♪春だ〜O(≧▽≦)O ワーイ♪
これからますます結婚式が多くなりますが、余興動画やサプライズムービーをこれから作り始める幹事さんやご友人の皆様が多いのではないでしょうか?
いざ集ってみたら友人みんなノープランで、貴重な時間がただしゃべって終わったということがないようにしたいですね!(私はそれはそれで楽しいし、手作りの良いところだと思っちゃいますけど▼*゚v゚*▼テヘッ)
そんな時のために、難易度の高すぎないご友人向けの余興、サプライズムービーを集めてみました!テクニックに関する解説もつけてみました。ぜひ、手作りサプライズの参考にしていただければと思います♪
■友人たちが曲に合わせておどる
出典:www.youtube.com
ふたりのラブラブ映像から友人のサプライズまで繋がったムービー。AKB48の「心のプラカード」に合わせて、友人たちのおどり撮影した楽しくて温かい動画です。
【解説】
何か曲に合わせて歌ったり、踊るという方法は、出演者全員の日時や場所がなかなか合わせられない時にとっても有効なやり方です。
例えば友人グループを別々の日に3箇所で撮影するとして、決めた曲をスマホで流しながらがらみんなで歌ってたり踊る様子をハンディーカムで撮り続けておきます。3箇所分の動画素材が集まったら、良いところをピックアップして映像編集するだけで完成します。ビデオレター等の音声含めて編集するような手法は音声を気にしながら撮影と編集もしなければなりませんし、以外と一番難しいのが、人がしゃべる時間(内容)というのはいきあたりばったりで行うと、長い人がいたり極端に短い人もいたりして、実際に映像編集を始めるとバランスを取るのが難しく、BGMとの長さ合わせにも苦労したりします。その点、1曲に合わせて踊る、歌う(歌声を使ってもいいし、使わなくても大丈夫)というやり方は撮影も難しく考えずに進められますし、後で編集する人が不満の種としてあげる「動画素材が多すぎ」「順番がハチャメチャでどう並べるのか分からない」「音声聞こえない」ということも回避できます。
ちなみに、この動画でもプラカードにコメントが入っていたりしますが、先ほど書いた通り人がしゃべると色々と大変なので、ホワイトボードにコメント書いたり、その動画の登場人物の名前を書くと、TV番組のテロップや字幕に近い効果があって、知らない人が見た時にも分かりやすい映像になり一層クオリティーアップします!
楽なだけが良いわけではなく、ご覧の通りとっても楽しい印象になるのでこのやり方はオススメです!
■替え歌で歌う
出典:www.youtube.com
花婿のご友人が作成したムービー。前半は皆から集めた言葉の数々を紹介、後半はオリジナルソングを合唱している様子からなっています。総勢70人の友人たちが集まって合唱するところが迫力満点です。替え歌の原曲はかりゆし58の「オワリはじまり」です。
【解説】
最初に紹介したサプライズムービーの発展系です。原曲をそのまま使うサプライズも素敵ですが、替え歌で新郎の人間性やエピソードの紹介があると、新婦にはもちろん、当日初めて新郎を見る方たちにとっても新郎の人柄に触れることができる素晴らしい映像になります。
こちらのムービーのテクニック面ですが、この映像はプロの映像制作会社さん(株式会社 ハピルム)が手がけられています。花嫁やご友人の方が試行錯誤してムービー撮影したり、動画編集することは素晴らしいことだと思います。しかし、ムービーをご覧いただくと随所にプロフェッショナルな技(効果音、テロップ処理、カメラワーク、音声収録、映像展開など)が光る内容となっていて、完成度の高い映像に仕上がっています。
替え歌にする演出がどなたの発案かはわかりませんが、そのアイデアを最大限に生かすためには撮影や映像編集のテクニックが必要です。また、撮影をするためには場所を探したり、許可取りをしたり、機材を準備する必要もでてきます。また、今回のような70名もの出演者が集まるような撮影は、撮影時の段取りや仕切りも円滑に進める必要があります。撮影をしたことのある方だとわかると思いますが、3〜5名ほどの人を一度に撮影することですら、立ち位置や演技、台詞のタイミングをねらい通りにするようにすることはすごく大変です。
友人が余興で流す映像に関して言えば「こんな映像にしたい」「あの場所で撮りたい」「この動画と同じようにしたい」というように、映像のイメージやネタは決まっているケースがほとんどですが、はやり皆さん苦労されるのが実制作の部分です。先ほど書いたように、場所探しから当日の段取り、仕切り、そしてその後の動画編集までをすべてを自分たちの力でやりきる判断もありですが、映像業社に依頼するという選択肢を話し合ってみても良いかと思います。
ご予算の不安があるとはおもいますが、例えば今回のような映像は出演者の皆様にとっても思い出に残る映像であり、集まった記念の映像として生涯大切にされても良いぐらいの映像だと思いますので、制作費を募ってみてら、皆さん快く協力してくださるかもしれません。
■両親からのビデオレター【二次会向け】
出典:www.youtube.com
花嫁と花婿、両方のご両親を収録されたビデオレターです。ふたりをことを一番語れるのはやっぱりご両親。ご友人たちの面白おかしいビデオレターも盛り上がりますが、二次会でも時に涙は必要です!ご両親の場合は小さい頃のハプニングや苦労話もあったりして、涙あり、笑いありの内容になることが多いのでオススメです。
【解説】
最初に、一次会(結婚披露宴)でビデオレターを上映するのではなく、二次会でのビデオレター上映が適している理由について触れます。ずばりそれは“言葉を選ぶ必要がない”ということです。もちろん何でもしゃべっていいわけではありませんが、披露宴では忌み言葉(詳しくはこちらをご覧ください)といわれる、使ってはいけない縁起が悪い言葉があります。代表的な忌み言葉に「別れる」「切れる」「死ぬ」「殺す」「壊れる」「嫌う」「割れる」「病気」などがありますが、両親からビデオメッセージや手紙を集めると「◯歳の頃は離れて暮らしていて・・・」とか「◯◯は生まれた時に病気を持っていて・・・」「大切な花瓶を壊したことがあって・・・」「小さい頃は勉強が大嫌いで・・・」というような過去の出来事を話した場合に忌み言葉が含まれることが非常に多いです。
例えば「勉強が嫌いでした」は「勉強が好きではありませんでした」と言い方を変えることで忌み言葉が入らないようにするのですが、しゃべる時に忌み言葉を気にしていたら、思うように言葉がでてこないでし、忌み言葉を発するたびにNGとなってしまいます。
基本的にはこのような事情もあり、ご友人のビデオレターであっても一次会で上映することはリスクを伴います。ご覧いただいた動画でもよくよく聞くと忌み言葉を含んでいますが、二次会であればさほど問題ありませんし、小さい頃の苦労話やハプニングはその場が和やかになり、新郎新婦も両親の言葉に涙されることも多くなります。
また、ご両親のビデオレターというのは、撮影が基本的には二回で終わります。紹介した映像はあえてシンプルに動画編集されているものをピックアップしましたが、オープニングやエンディングを過度に凝る必要もありませんし、ご両親からのメッセージという内容だけで十分見ごたえのある映像が完成します。
撮影における注意点を挙げるとすれば、基本的には室内での撮影をお勧めします。風などの騒音がマイクに入ることもありませんし、音声がクリアに収録できます。お部屋は恥ずかしい・・・とご両親から嫌がられる場合はテスト撮影したムービーをプレイバックし、風の音が入らないか確認してから、本番の撮影を始めた方が安全です。撮り終えて自宅に帰っていざ編集しようとしたら風の音がザーザー入っていて、ご両親のコメントがかすかにしか聞こえないといただいたコメントが台無しになります。「音声が聞こえなくてどうにかなりませんか?」と相談されることがありますが、オーディオのノイズ除去というようなテクニックでできるだけクリアにする方法があります。しかし、一般の方がそれらのテクニックを駆使するのはなかなか難しく、それ以外の対処法として有効なのは話している内容を字幕化する、つなりテロップ挿入する方法が一番かと思います。ただしこの方法、仮にメッセージが10分あるとすると、かなり大変です。一番は撮影のときに音声収録がきちんとできているかをしっかり確認することです!
おまけとして、友人からそれぞれメッセージムービーを撮影してもらって、その動画素材を集めて一本のビデオレターにする場合のちょっとしたコツを紹介します。
1つ目は、先ほども撮影はなるべく室内でと書きましたが、同じく室内での撮影をオススメします。一般の方が編集されたムービーで一番問題が多いのが音声の調整です。雑音がおおくて何を言っているの分からない。テロップもない場合は話した内容がほとんど伝わらない映像になります。
2つ目は、できるだけ撮影機材を統一しましょう。機材統一と聞くと難しく思われるかもしれませんが、今はスマホのカメラが大変高性能になっています。不慣れなハンディーカムを使うより、最新のスマホで数分程度の動画は十分撮影可能です。そして、スマホの中でもiPhoneならiPhoneに統一して撮影してもらった方が良いです。ちなみに、日本は世界でも類がないほどiPhone所有率が高く、最高でスマホ利用者の8割がiPhoneを購入していましたし、いまでも5〜6割はiPhone利用者です。友達や家族、そばには必ずiPhone利用者がいると思いますので、その方に撮影してもらいましょう。なぜ機種までも同じにするべきかと言いますと、いざ編集しようと思って20名分の素材を集め終わった時に、いろいろなムービーフォーマット(ファイル形式や動画サイズ)の素材があつまっていて、動画編集ソフトに読み込めないファイルが出てきたりします。結果、ソフトに読み込めるようにそれぞれのフォーマットを1つの形式に合わせる作業が発生したりします。それを回避するためには、撮影機材を統一、今回の場合だとiPhoneでみんなが撮影すれば、新しい機種か古い機種かで多少の差はでるものの、基本的には同じフォーマットのムービーを集めることが可能になります。
この二点をあらかじめ友人に伝えるだけで、メッセージムービーを集めたあとの動画編集が大幅に楽になると思います。
最後に難易度が高めの作品をまとめて紹介し、終わりにいたします!
■スケッチブックリレー
■PIKAPIKA
■番組・ドラマ風パロディー